30分でわかるシステムの再構築 平成16年(2004年)02月11日 (水) もくじ ------ 1. カーネルの再構築 2. config ファイルの中身 2.1. 必須のキーワード 2.2. 機種に依存しないオプション 2.3. ファイルシステムに関連するオプション 2.4. 基本的なコントローラとデバイスに関連するオプション 2.5. SCSI デバイス 2.6. コンソール、マウス、X サーバに関連するオプション 2.7. シリアルポートに関連するオプション 2.8. パラレルポートに関連するオプション 2.9. ネットワーク 2.10. サウンドカードに関連するオプション 2.11. 疑似デバイス 2.12. EPSON 機に特有のオプション 2.13. 互換 CPU に関するオプション 2.14. USB サポート 2.15. その他のオプション 3. SCSI サブシステムと ct ドライバについて 3.1. 指定方法 3.2. 運用時の注意事項 4. 補足 4.1. 割り込みレベルと割り込み番号 4.2. ネットワークボード別の注意事項 5. ブートブロックの変更 1. カーネルの再構築 ------------------- まず、カーネルの再構築の方法を説明します。 まず、/sys/pc98/conf にカーネルの設定内容を書いたファイル (ここでは、 SARU としておきます) を作成します。とりあえずは、GENERIC をコピーし、 後で述べる内容に従って書き換えます。(ゼロから書くとよく間違えることが ありますので、GENERIC をコピーして使用することをお勧めします。) # cd /sys/pc98/conf # cp GENERIC SARU # vi SARU つぎに、config(8) を使用します。 # config SARU Don't forget to do a ``make depend'' Kernel build directory is ../compile/SARU つぎにカーネルを作るディレクトリに移動します。 # cd ../compile/SARU または # cd /sys/pc98/compile/SARU ここで、compile の次のディレクトリ名は config ファイルの名前になります。 次にファイルの依存性を設定します。 # make depend いよいよコンパイル。 # make エラーがなければ成功です。エラーがあった場合はとりあえず config ファイ ルの中身を疑ってみて下さい。 最後に恐怖のインストールです。 # make install 古いカーネルは kernel.old として保存されます。これで、リブートすれば新 しいカーネルが動きます。 # shutdown -r now 不幸にも動かない場合はリブートできればリブートし、ハングアップした時は リセットして下さい。そして、ブート時の Hit [Enter] to boot immediately, or any other key for command prompt. と表示されている時に、リターンキー以外 (例えばスペースキー) を押すとプ ロンプトが表示されます。 ok 新しいカーネルをアンロードした後、古いカーネルをロードしてブートさせま す。 unload ok load kernel.old ok boot これで古いカーネルでブートします。 注意! 使用する make は FreeBSD に付属の ucb make です。GNU make ではコン パイルできないので注意して下さい。 2. config ファイルの中身 ------------------------ config ファイルにはカーネルの動作を決める重要な記述がつまっています。 この中には絶対に消してはいけないものや自分の環境に応じて書き換える必要 があるものそして、あると嬉しいものなどいろいろなものがあります。それら を一つ一つ見ていきます。config(8) は、'#' 以降をコメントとして扱います。 ソースを展開している場合、/usr/src/sys/pc98/conf/NOTES というファイルが 存在する可能性があります。このファイルには、さまざまなオプションの説明 があるので、必要に応じて参考にして下さい。ただし、NOTES に書かれている のは、IBM-PC 用の説明であり、PC98 では使用できないものも含まれているの で注意して下さい。さらに、NOTES には、システムや、ネットワークに対して 重大な障害を与える可能性のある "危険な" オプションも記載されているので、 十分注意して下さい。NOTES を参考にする場合は、必ずすみからすみまで読ん で下さい。 `hint' から始まる行はデバイスのヒント情報です。これらは主にISAデバイス のために利用されていて、ドライバが適切なデバイスをプローブするのにどこ を見るかや、どのリソースを使うのかを指定するのに使われています。 ヒント情報は config ファイル内にも書けますが、/boot/device.hints とし て、システムの起動時に動的に読み込まれるようにすることもできます。 2.1. 必須のキーワード 以下のキーワードは必須です。 machine pc98 config(8) に PC98 アーキテクチャのカーネルを作成することを指示しま す。書き換えないで下さい。 cpu cpu_type 使用するCPUを指定します。 cpu_type の部分には以下のいずれかが指定できます。 I386_CPU i386DX/SXおよびそれらの互換プロセッサを使用する場合に指定します。 このオプションを排他なので、他の CPU と同時には指定できません。 数値演算コプロセッサ(387)が必須です。 I486_CPU i486DX/SX/DX2/DX4/ODP およびそれらの互換プロセッサを使用する場 合に指定します。 I586_CPU Pentium プロセッサおよびその互換プロセッサを使用する場合に指定 します。 I686_CPU Pentium Pro プロセッサおよびその互換プロセッサを使用する場合に 指定します。 I386_CPU 以外は複数の CPU を指定することも可能です。 ident SARU config ファイルの名前と同じものを記述します。 maxusers 10 カーネル内のいくつかのテーブルの大きさを決定するために使用されます。 "最大ユーザ" となっていますが、この数を越えるユーザがログインして も使用できます。この値が小さいとファイルが作成できなくなったり、新 たなプロセスが起動できなくなる可能性があります。 特別な値 `0' を指定すると、物理メモリ量に比例して自動決定されます。 options PC98 機種依存のソースコードに対し、PC98 アーキテクチャのコードを使用す るように指示します。必ず指定して下さい。これがないと動きません。 device npx コプロセッサデバイスです。消さないで下さい。 2.2. 機種に依存しないオプション 以下はカーネルの提供する機能を選択するオプションです。 options COMPAT_43 4.3BSD のシステムコールをサポートします。必ず指定して下さい。 options COMPAT_FREEBSD4 FreeBSD 4.x のシステムコールをサポートします。指定しておいたほう が安全です。 options SYSVSHM SysV 形式の共有メモリをサポートします。X を使う場合は指定しておく と効果があります。 options SYSVSEM SysV 形式のセマフォをサポートします。 options SYSVMSG SysV 形式のメッセージをサポートします。 2.3. ファイルシステムに関連するオプション サポートするファイルシステムを選択するオプションです。ローカルディスク からブートするなら FFS、ネットワークディスクからブートするディスクレ スとするなら NFS となります。 options FFS バークレーのファーストファイルシステムをサポートします。 options NFSCLIENT options NFSSERVER options NFS_ROOT このオプションを指定すると NFS が使えるようになります。NFS を使わ ない時はコメントアウトしてもかまいません。(外せばカーネルがだいぶ 小さくなります。) options MSDOSFS MSDOS のファイルシステム (FAT) をサポートします。省略しない方が便 利です。 options QUOTA quota チェックを有効にしたいときは指定して下さい。 options PSEUDOFS 仮想的なファイルシステム用のフレームワークを提供します。 options PROCFS "プロセスファイルシステム" をサポートします。オプション "PSEUDOFS" が必要です。 options CD9660 ISO-9660 形式の CD-ROM をサポートします。CD-ROM を使用しない時は省 略してもかまいません。 options SOFTUPDATES FFS でのソフトアップデートサポートを有効にします。このオプションを 指定したカーネルでファイルシステムにソフトアップデートフラグを付け ると、書込性能が大幅に向上しかつ不慮の電源断時にもファイルシステム の整合性が保たれるようになるかもしれません。 options UFS_DIRHASH いくらか余分にメモリを消費しますが、巨大なディレクトリでのパフォー マンスを向上させます。 2.4. 基本的なコントローラとデバイスに関連するオプション 基本的なディスクに関するオプションです。「SCSI デバイス」、「ネットワ ーク」についてはそれぞれの節を参照して下さい。 device isa PC-98 標準バス (C-BUS) を使うことを宣言します。変更しないで下さい。 device pci PCI バスを使うことを宣言します。PCI バス搭載機種では指定しておくと 幸せになれます。 device fdc hint.fdc.0.at="isa" hint.fdc.0.port="0x090" hint.fdc.0.irq="11" hint.fdc.0.drq="2" `fdc' ドライバーは内蔵フロッピーディスクコントローラをサポートしま す。 hint.fd.0.at="fdc0" hint.fd.0.drive="0" hint.fd.1.at="fdc0" hint.fd.1.drive="1" hint.fd.2.at="fdc0" hint.fd.2.drive="2" hint.fd.3.at="fdc0" hint.fd.3.drive="3" `fd' サブドライバーはフロッピーディスクをサポートします。フロッピ ーディスクを使用する場合は必ず指定して下さい。(普通は省略しません。) device ata hint.atacbus.0.at="isa" hint.atacbus.0.port="0x640" hint.atacbus.0.irq="9" `ata' ドライバーは IDE インターフェースをサポートします。内蔵 IDE インターフェースを使用する場合には `atacbus' ドライバと併用します。 device atadisk `atadisk' サブドライバーは、IDE ハードディスクをサポートします。IDE ハードディスクを使用する場合は必ず指定して下さい。 device atapicd ATAPI CD-ROM をサポートします。 device atapifd ATAPI ZIP/MO をサポートします。 device atapist ATAPI テープデバイスをサポートします。 2.5. SCSI デバイス サポートしている SCSI インターフェース、デバイスについて説明します。 SCSI コントローラ 以下の SCSI コントローラがサポートされています。 device ct hint.ct.0.at="isa" hint.ct.0.flags="0x00000" `ct' ドライバは、WD33C93 用 (PC-9801-55 ボード互換用) のSCSI ドライバーです。このデバイスドライバーは、NetBSD/pc98 core team によって作成されたものを FreeBSD(98) に移植したものです。 PnP モードで使用する際には hint 情報は無視されます。(指定する 必要はありません) flags には使用するボードの種類を表す以下の数字のいずれか一つを 記述します。 flags ボードの種類 0x00000 NEC PC-9801-92 互換ボード (DMA 転送) 0x10000 IO DATA SC98II (バスマスタ転送) 0x20000 TEXA HA-55-BS2 以降 (バスマスタ転送) 0x30000 ELECOM バスマスタタイプのボード (バスマスタ転送) 0x40000 各社 SMIT 転送のボード (SMIT 転送) 0x50000 Logitec LHA-20x シリーズ SMIT 転送を用いる場合は maddr に BIOS ROM ベースアドレス(通常 は 0xdc000) を指定して下さい。他のボードでは maddr を書く必要 はありません。 ct ドライバ関連の詳しい設定については「SCSI サブシステムと ct ドライバについて」を参照して下さい。 device ahc `ahc' ドライバーは PC-9821X-B02L/B09, SV-98/2-B03 等をサポー トします。 device sym `sym' ドライバーは NCR/Symbios 53C810A/53C825A/53C860/53C87x/53C885/53C895 を用いた SCSI ボー ドをサポートします。 device adv `adv' ドライバーは AdvanSys コントローラーを用いた Narrow SCSI ボードをサポートします。 device amd `amd' ドライバーは AMD 53C974 を用いた SCSI ボードをサポートと します。 device isp `isp' ドライバーは Qlogic ISP ファミリの SCSI ボードをサポート します。 device scbus `scbus' ドライバーは、SCSI サブシステムの中核部分を形成します。 SCSI デバイスを使用する時は必ず指定して下さい。 device da `da' サブドライバーは SCSI インターフェースに接続されたハードディ スクドライブおよび MO ドライブをサポートします。SCSI ハードディス クを使用する時は必ず指定して下さい。 device sa `sa' サブドライバーは SCSI インターフェイスに接続されたテープデバ イス (DAT を含む) をサポートします。SCSI テープデバイスを使用する 時は指定して下さい。 device cd `cd' サブドライバーは SCSI インターフェイスに接続された CD-ROM ド ライブをサポートします。SCSI CD-ROM を使用する時は指定して下さい。 device pass `pass' サブドライバーは SCSI インターフェイスに接続された装置を直 接取り扱う時に使用します。 device ch `ch' サブドライバーは SCSI メディアチェンジャをサポートします。 device pt `pt' サブドライバーは SCSI プロセッサデバイスをサポートします。 device ses `ses' サブドライバーは SCSI Environmental Services(SES) と SAF-TE をサポートします。 2.6. コンソール、マウス、X サーバに関連するオプション コンソールデバイスの指定です。X Window System を使うのであればマウスに ついても指定して下さい。 device sc hint.sc.0.at="isa" コンソールデバイスです。消さないで下さい。 device gdc hint.gdc.0.at="isa" ビデオカードインターフェイスです。消さないで下さい。 device pckbd hint.pckbd.0.at="isa" hint.pckbd.0.port="0x041" hint.pckbd.0.irq="1" キーボードデバイスです。消さないで下さい。 options LINE30 FreeBSD(98) で 30 行モード (DOS の 30 行 BIOS のようなこと) を使用 する場合は、このオプションを指定して下さい。30 行モードについては 「FreeBSD(98) 30 行モード」を参照して下さい。 device splash 起動時に画像を表示する場合に必要です。 device mse hint.mse.0.at="isa" hint.mse.0.port="0x7FD9" hint.mse.0.irq="13" バスマウスを使用する時は指定して下さい。 2.7. シリアルポートに関連するオプション シリアルポートに関連するオプションです。 device sio 共通のシリアルドライバーです。シリアルデバイスを使用する際には指定し てください。 hint.sio.0.at="isa" hint.sio.0.port="0x030" hint.sio.0.irq="4" 内蔵 RS-232C ポート(COM1)を使用する場合はこのように指定して下さい。 hint.sio.1.at="isa" hint.sio.1.port="0xd2" hint.sio.1.irq="5" hint.sio.1.flags="0x14000101" マイクロコアの MC16550/MC16550II/MC-RS98 を使用する場合は、このよ うに指定してして下さい。``flags''の後の数字によってボードの種類を 指定します。 ``flags''に指定する値は以下の通りです。 0x00000000 内蔵 RS-232C インターフェース 0x02000000 NEC PC-9861K, PC-9801-101, 緑電子 MDC-926Rs 0x10000000 I-O DATA RSA-98II (NS16550 互換モード) 0x11000000 NEC PC-9801-120, 125 0x12000000 内蔵 COM2 (2nd CCU) 0x14000000 マイクロコア MC-16550II, MC-RS98 0x15000000 Media Intelligent RSB-2000, RSB-3000, AIWA B98-02 0x16000000 Media Intelligent RSB-384 0x18000000 I-O DATA RSA-98III 0x19000000 MidoriHayes ESP98 2つ目のチャンネルは以下のように指定します。 hint.sio.2.at="isa" hint.sio.2.port="0x8d2" hint.sio.2.flags="0x14000101" このとき、後述の options COM_MULTIPORT を指定しておいて下さい。port および irq はボードで設定した値を記述して下さい。MC-RS98 では、d? の 部分を b? や e? に変更することにより I/O アドレスを変更することが可 能ですが、/sys/pc98/pc98/sio.c を変更する必要があります。flags は、 上位バイトがマスター sio 番号で、下位バイトの b0 がマルチポートデバ イスのフラグです。内蔵 RS-232C インターフェースを使用せず、sio0 から MC16550 を使用する場合は、 hint.sio.0.at="isa" hint.sio.0.port="0xd?" hint.sio.0.irq="5" hint.sio.0.flags="0x14000001" hint.sio.1.at="isa" hint.sio.1.port="0x8d?" hint.sio.1.flags="0x14000001" のように flags を変更して下さい。また、AIWA の B98-01 を使用する場合 は、 hint.sio.1.at="isa" hint.sio.1.port="0xd1" hint.sio.1.flags="0x15000101" hint.sio.2.at="isa" hint.sio.2.port="0xd5" hint.sio.2.flags="0x15000101" としてください。port はボードで設定した値を記述して下さい。irq は自 動的に設定されます。 options COM_MULTIPORT マイクロコアのMC16550/MC16550II/MC-RS-98を使用する場合は指定して下さい。 2.8. パラレルポートに関連するオプション パラレルポートに関連するオプションです。 device ppc hint.ppc.0.at="isa" hint.ppc.0.irq="14" 内蔵のパラレルポートを双方向バスインターフェイスとして使用する時は 指定して下さい。``device ppbus'' を指定しておいて下さい。 device ppbus パラレルポートバスの中核部分を形成します。パラレルポートバスを利用 する場合は必ず指定して下さい。 device lpt パラレルポートバス上のプリンタを使用する時は指定して下さい。 device plip TCP/IP over parallel を使用する時は指定して下さい。 device olpt hint.olpt.0.at="isa" hint.olpt.0.port="0x040" 内蔵のパラレルポートが双方向バスインターフェイスとして利用できない (ppc デバイスが利用できない) 機種でプリンタを使用する時は指定して 下さい。 2.9. ネットワーク 多くの Unix 同様 FreeBSD もネットワーク機能を強力にサポートしています。 options INET インターネットプロトコルをサポートします。必ず指定して下さい。 options MROUTING マルチキャストルーティングをサポートします。 options IPFIREWALL ファイアウォールとして動作させる場合は指定して下さい。 options DEVICE_POLLING 一部のネットワークデバイスドライバで割り込み/ポーリング混在モード をサポートします。このモードでは、カーネルのネットワーク処理と他処 理間で正確な CPU 時間の割り当てが可能になるとともに、負荷耐性や応 答性でも有利になります。 sysctl 変数 "kern.polling.enable" により、ポーリングモードの有効/ 無効を動的に切り替えることが出来ます(デフォルトでは無効)。なお、ス ムーズな動作のために HZ=1000 もしくは 2000 での利用を強くお勧めし ます。 現時点では、一部のデバイスドライバでのみサポートされています。 詳細は polling(4) を参照して下さい。 イーサネットカード 以下のイーサネットカードをサポートしています。なお、ボード固有 の注意事項は「4.2. ネットワークボード別の注意事項」を参照して 下さい。 device ed hint.ed.0.at="isa" hint.ed.0.port="0x00d0" hint.ed.0.irq="6" `ed' ドライバーはナショナルセミコンダクター社の DS8390 お よびその互換チップを用いたネットワークボードをサポートしま す。 C-BUS 以外に PCI バス及び PCMCIA に対応していますが、PCI バス及び PCMCIA については自動的に設定されますので、特に気 に する必要はありません。 以下の説明は、C-BUS のボードにの み適応されます。 portとirq の後の数字は I/O ポートアドレスと割り込み番号で す。maddrとmsize は,シェアードメモリのアドレスとサイズで す。いずれもボードの設定と同じになるようにして下さい。 ``flags'' の後の数字によって特定のボードのみサポートする機 能が提供されています。``flags'' には使用するボードの種類を 表す以下の数字のいずれか一つを記述します。個別のボードの型 番と flags との対応の完全なリストは「サポートしているハー ドウェア」を参照してください。 0x000000 IBM-PC 用のネットワークカードと同じ I/O ポートアドレス 構成のボード(Allied Telesis LA-98-T など) を使用する場 合はこの値にする必要があります。 □ IO-DATA PCLA/T,LA/T-98 □ MELCO LPC-TJ/TS □ PLANET SMART COM CREDITCARD/2000 □ Allied Telesis LA-98-T □ Corega Ether 98-T 0x100000 PLANET SMART COM CREDITCARD/2000 MELCO LPC-TJ/LPC-TS や IO-DATA PCLA/T をサポートします。 0x200000 PLANET SMART COM 98 EN-2298 や ELECOM LANEED LD-BDN[123]A をサポートします。 0x300000 MELCO EGY-98 や Contec C-NET(98)E-A/L-A、CONTEC C-NET(98)P(E/L-A互換モード)をサポートします。 0x400000 MELCO LGY-98、LGH-98、IND-SP、IND-SS や MACNICA NE2098 をサポートします。 0x500000 ICM DT-ET-25/DT-ET-T5/IF-2766ET/IF-2771ET や D-Link DE-298P{T,CAT}/DE-298{T,TP,CAT}、ELECOM LANEED LD-98P{T}、PLANEX EN-2298-T, EN-2298P-Tをサポートしま す。 0x600000 Allied Telesis SIC-98/SIU-98(SIC モード) をサポートし ます。 0x610000 Allied Telesis SIU-98-D をサポートします。 0x800000 NEC PC-9801-107、108 をサポートします。 0x900000 IO-DATA LA-98 シリーズや MACNICA ME98、Kansai KLA-98C/Tをサポートします。 0x910000 NEC PC-9801-77, 78 をサポートします。 0xa00000 Contec C-NET(98) 無印、RT-1007(98)、C-NET(9N) をサポー トします。 0xb00000 Contec C-NET(98)E/L(初期化レジスタアドレス 0xAAED)、 C-NET(9N)L(指定した値で初期化時に自動設定します。)、 Logitec LAN-98T をサポートします。 0xb10000 Contec C-NET(98)E/L(初期化レジスタアドレス 0x55ED) 0xd00000 Accton EN1644(旧モデル), EN1646(旧モデル), EN2203(旧モ デル)、Networld 98X3 をサポートします。 0xd10000 Networld EC/EP-98X をサポートします。 0xf00000 NextCom NC5098 をサポートします。 実際に使用するボードに合わせて値を変更して下さい。 共有メモリを用いる SIC-98、C-NET(98) 無印、EtherEZ98 の 場 合は maddr に 共有メモリのベースアドレスを指定し msize は 共有メモリのサイズを指定して下さい。他のボードでは maddr および msize を書く必要はありません。 device fe hint.fe.0.at="isa" hint.fe.0.port="0x00d0" hint.fe.0.irq="3" `fe' ドライバーは富士通のMB86960A/MB86965Aおよび互換チップ を利用したLANボードをサポートします。port には、LAN ボード が使用する I/O アドレスを指定して下さい。C-BUS の場合はボー ドの設定と同じになるようにして下さい。 PCMCIA の場合は自動 的に設定されますので、特に気にする必要はありません。 以下のボードでの動作が確認されています。 □ Allied Telesis RE1000, RE1000Plus, ME1500 (110pin) □ Contec C-NET(98)P2, C-NET(9N)E (110pin), C-NET(9N)C(ExtCard) □ Ungermann-Bass Access/PC N98C+(PC85152), Access/NOTE, N98(PC86132) (110pin) □ TDK LAC-98012, LAC-98013, LAC-98025, LAC-9N011 (110pin) device ep `ep' ドライバーは 3COM 社の 3C569 / 3C589 をサポートします。 C-BUS 及び PCMCIA に対応しており、port や irq は自動的に設 定されますので、何も書かないでください(port や irq を書く と誤認識してしまいます)。 device de `de' ドライバは DEC DC21x4x を用いたネットワークボードをサポー トします。 device fxp `fxp' ドライバーは Intel EtherExpress Pro/100B をサポートしま す。 device em `em' ドライバーは Intel PRO/1000 をサポートします。 device lnc hint.lnc.0.at="isa" hint.lnc.0.port="0x03d0" hint.lnc.0.irq="6" `lnc'ドライバはAMD 社の AM7990(LANCE) 及びその互換チップを 用いたネットワークボードをサポートします。 port とirq の後の数字は I/O ポートアドレスと割り込み番号で す。 C-BUS の場合はボードの設定と同じになるようにして下さ い。 PCI バスの場合は自動的に設定されますので、特に気にす る必要はありません。 なお、AT 互換機では drq を指定する必要がありますが、PC-98 では不要です。 device rl `rl'ドライバはRealTek 8129/8139, Accton MPX 5030/5038ベースの LAN ボードをサポートします。 device vr `vr'ドライバはVIA VT3043/VT86C100A(Rhine I/II) ベースの LAN ボー ドをサポートします。 device vx `vx' ドライバーは 3Com 3C590/3C595 をサポートします。 device sis `sis' ドライバーは SiS 900/SiS 7016, NatSemi DP83815 を用いた ボードをサポートします。例えば @Nifty FNECHARD IFC-USUP-TX, MELCO LGY-PCI-TXC 等があります。 device snc hint.snc.0.at="isa" hint.snc.0.port="0x888" hint.snc.0.irq="6" hint.snc.0.maddr="0xc0000" `snc' ドライバはナショナルセミコンダクター社の DP83932 (SONIC-T) を用いたネットワークボード、例えば、 PC-9801-83,84,103,104 と PC-9801N-25,J02,J02R をサポートし ます。 port とirq の後の数字は I/O ポートアドレスと割り込み番号で す。また maddr の後の数字は 共有メモリのベースアドレスです。 C-BUS の場合はボードの設定と同じになるようにして下さい。 PCMCIA の場合は自動的に設定されますので、特に気にする必要 はありません。 device loop localhost (127.0.0.1) 用の仮想デバイスです。消さないで下さい。 device ether イーサネットをサポートします。消さないで下さい。 device sl SLIP を使用する時は指定して下さい。 device ppp PPP を使用できるようにします。カーネル PPP を使用する場合は必ず指 定して下さい。ユーザランド PPP のみを使用する場合は不要です。 device tun ユーザプロセスからカーネルのネットワーク層にアクセスするためのトン ネルデバイスです。ユーザランド PPP を使用する時は必ず指定して下さ い。 device bpf バークレイパケットフィルタの機能を有効にします。ドライバが未対応な ために使用できないイーサネットカードがあります。 device gre `gre' 仮想デバイスは、GRE や MOBILE 用の IPv4 トンネリングをサポー トします。これは、Cisco の GRE トンネリングと互換性があり、GRE ト ンネリングをサポートしたルータとして使用することができるようになり ます。 IPv6 サポート IPv6 を使用するためには、以下のオプションも必要です。 options INET6 インターネットプロトコル バージョン 6 をサポートします。 device gif `gif' 仮想デバイスは、バージョンの違う IP 間でのトンネリング をサポートします。以下の 4 通りが実装されています。 IPv6 パケットを IPv4 上でトンネリング IPv4 パケットを IPv6 上でトンネリング IPv4 パケットを IPv4 上でトンネリング IPv6 パケットを IPv6 上でトンネリング device faith 1 `faith' 仮想デバイスは、IPv6/IPv4 の変換をサポートします。 device stf `stf' 仮想デバイスは、6to4 のカプセル化をサポートします。 2.10. サウンドカードに関連するオプション これ以降のオプションは GENERIC カーネルに含まれていません。必要に応じ て各自で加えて下さい。 device pcm hint.pcm.0.at="isa" hint.pcm.0.port="0xf40" hint.pcm.0.irq="12" hint.pcm.0.drq="1" hint.pcm.0.flags="0x10000" サウンドカードを使用する場合は指定して下さい。mss 互換音源およびサ ウンドブラスタに対応しています。 サウンドブラスタを使用する場合には、下記に示すように `sbc' ブリッ ジドライバを併用して下さい。 device pcm hint.pcm.0.at="isa" hint.pcm.0.port="0xf40" hint.pcm.0.irq="12" hint.pcm.0.drq="1" hint.pcm.0.flags="0x10000" device sbc hint.sbc.0.at="isa" hint.sbc.0.port="0x20d2" hint.sbc.0.irq="10" hint.sbc.0.drq="3" 2.11. 疑似デバイス 疑似デバイスはデバイスドライバのように動作しますが、対応するデバイスが 存在するわけではありません。「ネットワーク」でもいくつかの疑似デバイス が出て来ましたが、残りをここで説明します。 device gzip gzip で圧縮された a.out 形式ファイルを実行できるようにします。 `COMPAT_AOUT' オプションが必要です。 device pty 仮想端末デバイスです。消さないで下さい。 device md ファイルをデバイスとして扱うことを可能にする Memory disks ドライバ をサポートします。 2.12. EPSON 機に特有のオプション 一部の EPSON 機で必須となるオプションです。 これらは現在メンテナンスされていないため、使用できない可能性があります。 options EPSON_MEMWIN このオプションを指定すると、15-16MB にあたる領域を使用しません。ま た、I/O ポート 0x43b にアクセスし、メモリウィンドウを使用できるよ うにします。 options EPSON_BOUNCEDMA 0xf00000 以上の領域に対し、バウンスバッファを使用します。このオプ ションを指定する場合は、BOUNCE_BUFFERS も一緒に指定して下さい。 EPSON PC-486GR Super は、このオプションを指定しないと、15MB を越え るメモリーを使用することができません。 options WB_CACHE 一部の EPSON 機では、セカンドキャッシュがライトバック方式の場合、 CPU スイッチを High にすると正常に動作しなくなります。既に判明して いる PC-486HX などについてはカーネルが自動認識して対応しますが、そ れ以外の機種で動作しない場合に指定してみてください。 2.13. 互換 CPU に関するオプション CPU アクセラレータなどを使用している場合は適切に指定することでその性能 が発揮されます。 options CPU_BLUELIGHTNING_FPU_OP_CACHE IBM Blue Lighting を使用している場合、このオプションを指定すると FPU のデータをキャッシュするようになります。Cyrix 製の FPU でのみ 有効です。Intel 製の FPU を利用している場合は指定しないで下さい。 options CPU_BLUELIGHTNING_3X IBM Blue Lighting を使用している場合、このオプションを指定すると 3 倍速動作になります。指定しない場合は 2 倍速になります。 options CPU_DIRECT_MAPPED_CACHE Cyrix486DLC を利用している場合、このオプションを指定すると 1 次キ ャッシュをダイレクトマップ方式にします。指定しない場合は、2 ウェイ アソシエティブ方式です。 options CPU_DISABLE_5X86_LSSER Cyrix の 5x86 を使用している場合、このオプションを指定すると、パイ プラインの効率を上げるためにメモリアクセスの順番を変更する機能が有 効になります。この場合、メモリマップド I/O を使用するデバイス (例 えば XFree86 で mmio を指定する場合) は正しく動作しない可能性があ るので注意して下さい。 options CPU_FASTER_5X86_FPU Cyrix の 5x86 を使用している場合、このオプションを指定すると、FPU 例外の取り扱いが速くなります。 options CPU_I486_ON_386 i486 のキャッシュを有効にします。元々 i386 のマシンに i486 を付け た時に、BIOS がキャッシュを有効しない場合指定して下さい。 options CPU_WT_ALLOC write allocation を有効にします。Cyrix 6x86/6x86MX と AMD K5/K6 の み有効です。 options CPU_SUSP_HLT HLT 命令が実行された時にサスペンドモードに移行して消費電力を軽減さ せます。いまのところ Cyrix の 486DX/5x86/6x86 のみ有効です。他の CPU では無効です。 警告! この機能のテストは不十分です。 options CYRIX_CACHE_WORKS Cyrix 486 を使用している場合、hold 信号でキャッシュをフラッシュす るようにります。 options FPU_ERROR_BROKEN 一部の 286 マシン用 CPU アクセラレータボードでは、数値演算コプロセ ッサのエラー信号を認識できません。そのような機種で数値演算コプロセ ッサを使用する場合は、このオプションを指定して下さい。 注意! このオプションを指定してもエラー信号を正しく処理できるようには なりません。一部のアプリケーションの演算時のエラーを使用する機 能は使用できません。 2.14. USB/Firewire サポート USB を使用する際には以下のドライバが必要です。 device ohci OHCI(Open Host Controller Interface)対応の USB コントローラ用 ドライバです。NEC PC-9821 V200 等内蔵 USB コントローラや @Nifty FNECHARD IFC-USUP-TX (PCI)をサポートします。 これらのコントローラで USB を使用する際は指定してください。 device uhci UHCI(Universal Host Controller Interface)対応の USB コントロー ラ用ドライバです。TRY CORPORATION JUS-02 等をサポートします。 これらのコントローラで USB を使用する際は指定してください。 device usb USB 関連の共通モジュールです。USB を使用する際は必ず指定して ください。 device udbp ホスト 対 ホストの USB ケーブル接続をサポートします。NETGRAPH オプションが必要です。 device ufm USB 接続の FM Radio をサポートします。 device uhid USB 接続のヒューマンインタフェイスデバイス(ボタンやダイアル付) をサポートします。 device ukbd USB 接続のキーボードをサポートします。 device ulpt USB 接続のプリンタをサポートします。 device umass USB 接続のストレージデバイス(Zip 等)をサポートします。 scbus ドライバと da サブドライバが必要です。 device umodem USB 接続のモデムをサポートします。 device ums USB 接続のマウスをサポートします。 device urio USB 接続の Rio(MP3 Player) をサポートします。 device uscanner USB 接続のスキャナをサポートします。 device ubsa device uftdi device uplcom device uvscom device uvisor USB 接続のシリアルポート/デバイスをサポートします。後述の `ucom' が必要です。 device ucom USB デバイスを tty のように見せかけるためのアタッチメントです。 USB のモデムやシリアルデバイスと共に指定してください。 device aue ADMtek チップを使用した USB イーサネット用のドライバです。 LinkSys USB100TX, Billionton USB100, Melco LU-ATX, D-Link DSB-650TX, SMC 2202USB をサポートします。 ADMtek AN986 Pegasus でも動くかもしれません。 MII バスドライバが必要です。 device axe ASIX Electronics AX88172 を使用した USB 2.0イーサネットドライバ です。LinkSys USB200M をサポートします。 MII バスドライバが必要です。 device cue CATC USB-EL1201A 用の USB イーサネットドライバです。 CATC Netmate や Netmate II, Belkin F5U111 をサポートします。 MII バスドライバが必要です。 device kue Kawasaki LSI 用の USB イーサネットドライバです。 LinkSys USB10T, Entrega USB-NET-E45, Peracom Ethernet Adapter, 3Com 3c19250, ADS Technologies USB-10BT, the ATen UC10T, Netgear EA101, D-Link DSB-650, SMC 2102USB, 2104USB, Corega USB-T をサポートします。 MII バスドライバが必要です。 device rue RealTek RTL8150 用の USB イーサネットドライバです。 Melco LUA-KTX, GREEN HOUSE GH-USB100B をサポートします。 MII バスドライバが必要です。 device ugen 上記以外の USB 接続機器をサポートします。USB を使用する際は指定 しておくと良いでしょう。 Firewire を使用する際には以下のドライバが必要です。 device firewire Firewire バスドライバです。 device sbp Firewire 上で SBP2/SCSI をサポートします。`scbus' と `da' SCSI サ ブドライバが必要です。 device fwe Firewire 上での Ethernet エミュレーションをサポートします。この機 能は標準仕様ではありません。 2.15. その他のオプション その他のオプション、デバイスについて説明します。 device speaker hint.speaker.0.at="isa" hint.speaker.0.port="0x35" /dev/speaker を使用する時は指定して下さい。 device apm hint.apm.0.flags="0x20" APM を使用する時は指定して下さい。 device pmc hint.pmc.0.at="isa" hint.pmc.0.port="0x8f0" APM が使えない古い 98NOTE で "shutdown -p" による電源断を行いたい 時は指定して下さい。 device card device pcic hint.pcic.0.at="isa" hint.pcic.0.port="0x3e0" 98NOTE で PC カード (PCMCIA) を使用する時は指定してください。デフォ ルトでは割り込みを使用しないポーリングモードですが、コントローラに irq を割り当てることもできます。以下のように指定してください。 hint.pcic.0.irq="6" 3. SCSI サブシステムと ct ドライバについて ------------------------------------------ 3.1. 指定方法 FreeBSD(98) では 2.0.5 以降、複数の同種 SCSI デバイスに対して自動的に ユニット番号を割り付ける機能があります。よって一般的には以下のように指 定しておけば起動時に SCSI バスに接続されたハードディスク、光磁気ディス ク、テープ、CD-ROM のそれぞれの数がいくつであっても自動的に番号が振ら れて使用可能な状態になります。インテリジェントな SCSI I/F が主流となっ ている AT 互換機では、SCSI 機器の構成を変更したりした場合にも自動的に 対応できるこの指定方式が推奨されています。 device scbus device da device sa device cd 一方、従来との互換性のために以下のように割り付けを指定して固定する事も できます。そして ct ドライバでは、各 SCSI 機器に対応した転送レートを管 理するなどの、インテリジェントな SCSI I/F ではカード上の CPU がやって くれることを FreeBSD カーネルが行わなければならないために、以下のよう に個々のデバイスを指定して記述することを推奨します。(指定しなくても動 作に支障のない場合がほとんどですが SCSI 機器の性能を引き出すためには flags の指定が重要になるからです。) device scbus0 at ct0 bus0 device da0 at scbus0 target 0 unit 0 flags 0x320c000b device da1 at scbus0 target 2 unit 0 flags 0x320c000b device da2 at scbus0 target 3 unit 0 flags 0x320c000b device sa0 at scbus0 target 5 unit 0 flags 0x00000107 device cd0 at scbus0 target 6 unit 0 flags 0x00000106 `at scbus0' の部分は どの SCSI サブシステムにぶら下がるか(すなわち ど の SCSI ボードを使用するか) を指定します。 `target 0' の部分は SCSI ID を指定して下さい。 `unit 0' の部分は LUN (論理ユニット番号) を指定します。たいていの場合は 0 です。 `flags' の部分は それぞれの機器に対してどのようなアクセス方法をとるか を指定します。この値は使用するデバイスごとに最適値が異なっています。 flags では 32bit を以下のように いくつかのフィールドに区切って転送速度 などのパラメータを指定します。 MSB LSB +---------------+---------------+-+---------+-+-+-----+-+-+-+-+-+ |3 3 2 2 2 2 2 2|2 2 2 2 1 1 1 1|1|1 1 1 1 1| | | | | | | | | |1 0 9 8 7 6 5 4|3 2 1 0 9 8 7 6|5|4 3 2 1 0|9|8|7 6 5|4|3|2|1|0| +---------------+---------------+-+---------+-+-+-----+-+-+-+-+-+ | s | F |n| r |n|n| r |q|l|w|d|s| | y | I |o| s |o|o| s |t|i|a|i|y| | n | F | | v | | | v |a|n|i|s|n| | c | O |S| d |p|s| d |g|k|t|c|c| | | |M| 2 |a|a| 1 | | | | | | | r | s |I| |r|t| | | | | | | | a | i |T| |i| | | | | | | | | t | z | | |t| | | | | | | | | e | e | | |y| | | | | | | | +---------------+---------------+-+---------+-+-+-----+-+-+-+-+-+ + sync 1 で同期転送、0 で非同期転送 + disc 1 で disconect/reselect をサポート、0 で使用しない - wait 1 で他のターゲットと競合するバス調停を禁止、0 で許可 + link 1 でコマンドリンクを使用、0 なら使用しない qtag タグ付きキューのため予約 rsvd1 予約 - no sat 1 で WD33C93 のコンビネーションコマンドを使用しない、0 なら使用 + no parity 1 でパリティラインを監視しない、0 なら監視する rsvd2 予約 - no SMIT 1 で SMIT 転送を禁止、0 で許可 (ボードがサポートしてい れば) FIFO size 同期転送時のバッファサイズ sync rate 同期転送速度 (転送速度を 0.1MB 単位で表す) `+' をつけたオプションは 1 にすると効率向上の効果があり、 `-' をつけたオプションは 1 にすると効率が下がります。 sync rate については転送速度を 0.1MB 単位で表した数字になります。例え ば 5MB/sec の場合は 5MB/sec = 50 * 0.1MB/sec なので 0x32 になります。 flags を省略した場合はデフォルト値として 0xffff0301 が使用されます。こ れは以下の指定になります。 * 同期転送 (offset と period はネゴシエーションによって決定) * disconnect は用いない * コマンドリンク不使用 * コンビネーションコマンドを使用しない * パリティラインを監視しない ハードディスクについては 0x320c0003 をとりあえず用いると良いでしょう。 また CD-ROM や MO などは 0x020c0304 あたりを指定して、そこからチューニ ングしていくと良いと思います。 3.2. 運用時の注意事項 ct ドライバは SCSI バスがハングアップした場合に SCSI バスのリセットを 試みます。もしハードディスクのアクセスランプが点灯したままカーネルがお 亡くなりになったように見えても、しばらくはそのままにしておいてください。 ハングアップの原因が SCSI バス側にあるのであれば復旧する可能性がありま す。 信頼性を求めるのであればパリティラインの監視を有効にしてください。読み 込み時にパリティエラーが発生した場合は完全に復旧されます。書き込時はデ バイスに依存します。 4. 補足 ------- 4.1. 割り込みレベルと割り込み番号 INT # の値と irq # の間には次の関係があります。 INT | irq ------+------ 0 | 3 1 | 5 2 | 6 3 | 9 41 | 10 5 | 12 6 | 13 4.2. ネットワークボード別の注意事項 EtherEZ98 * Addressing Mode は "I/O Mapped" にする必要があります。 SIU-98 * SIU-98 無印はボードを SIC モードにする必要があります。 具体的には 2 枚重ねになっている上のボードを外して下さい。 * SIU-98-D は flags 0x610000 を指定してください。 C-NET(98)無印 C-NET(98)E/L * 使用する port および irq は、ともにカーネル conf での値を元にボード 初期化 時にソフトウェア設定します。 * 標準では初期化アドレスレジスタとして "AAED" が使用されますが、 flags の bit 0x10000 をセットすることにより "55ED" を使用します。 これにより同じボードを 2 枚まで使うことができます。 * 初期化アドレスレジスタの都合により、複数の ed ドライバユニット間で flags 値が以下の組み合わせの場合はプローブ時に暴走することがありま す。これらの組み合わせは避けてください。 + 同一値(ともに 0xb00000 など) + 0xa00000 と 0xb00000 の組み合わせ + 0xa10000 と 0xb10000 の組み合わせ C-NET(98)E-A C-NET(98)L-A * C-NET(98) 無印および E/L とは別構造のボードであり EGY-98 として認識 され ます。 LGY-98 * EGY-98 のプローブが実行されるとフリーズするため、EGY-98 のドライバ を無効化 する必要があります。 C-NET(98)P * "C-NET(98)E/L-A互換モード" に設定することにより EGY-98 として認識さ れます。 C-NET(98)P2 * C-NET(98)P とは別構造のボードであり fe ドライバで使用できます。 NEC PC-9801-77 Networld EC/EP-98X * 使用する irq はカーネル conf での値を元にボード初期化時にソフトウェ ア設定 します。 * flags の bit 0x10000 をセットするのを忘れないで下さい。 セットしな くても認識されてしまいますが、irq のソフトウェア設定が行われない た め使用できません。 SB-9801 * 使用する port および irq は、ともにカーネル conf での値を元にボード 初期化 時にソフトウェア設定します。 * port をソフトウェア設定するためにシステムポート 0x40 を使用します。 これは プリンタポートと同じアドレスであるため、ppcやolptとの干渉が あるかもしれま せん。 * SB-9801 を初期化する前に SB-9801 で使用する port(0xd0 など)にアクセ スする とハングアップするため、他の ed や fe など 0x??d0 をアクセス するデバイスは 全て無効化する必要があります。 * flags の bit 0x01 を設定することにより AUI と BNC/UTP の切り替えが できます。 ただし SN-9801-2 の場合は無条件に flags 0xe00001 を指定 してください。 NC5098 * port にはボードでの設定値 +0x2000 を指定する必要があります(ボード設 定が 0xd0 なら 0x20d0)。 * NC5098 を初期化する前に NC5098 で使用する port(0x20d0 など)にアクセ スすると ハングアップするため、他の ed や fe など 0x??d0 をアクセス するデバイスは全て 無効化する必要があります。 * 共有メモリモードには対応していませんので、共有メモリアドレス設定の JP は 外す必要があります。 * NC5098N は別構造のボードなので対応していません。 * port の干渉の問題から EC/EP-98X とは併用できません。 Allied-Telesis RE1000 Ungermann-Bass Access/PC N98C+ Ratoc REX-9880 * irq は、カーネル conf での値を元にボード初期化時にソフトウェア設定 します。 Contec C-NET(9N)E * port は 0x73d0 のみ、irq は 5 のみが使用できます。 Contec C-NET(98)P2 * irq の値は初期化時に自動的に取得するので、カーネル conf ではどのよ うな値でもかまいません。本体が PnP 対応の場合は port 値も自動的に取 得します。 TDK LAC-98012 * カーネル conf ファイルに options "FE_8BIT_SUPPORT" が必要です。 * irq は、カーネル conf での値を元にボード初期化時にソフトウェア設定 します。 5. ブートブロックの変更 ----------------------- boot1 と boot2 は /boot の下にコピーされます。これらの内容をブートブロ ックに書き込むには、 da# の場合: bsdlabel -B -b boot1 -s boot2 da# ad# の場合: bsdlabel -B -b boot1 -s boot2 ad# fd# の場合: bsdlabel -B -b boot1 -s boot2 fd# として下さい (# は装置番号) 。なお、-b boot1 を省略した場合 /boot/boot1、-s boot2 を省略した場合 /boot/boot2 が使われます。例えば、 bsdlabel -B ad0 とした時は、ad0 に /boot/boot1, /boot/boot2 が書き込まれます。また、 自分でブートブロックを作成した場合も同様な手順で書き込んで下さい。 (注意) この操作は通常行なうことはないはずです。失敗すればディスクから起動 できなくなるばかりか大切なデータを失うことになるので注意して下さい。 ---- FreeBSD(98) 移植チーム